16日間滞在したイランを出国し
夜行バスで10ヶ国目、アルメニアへ入った日のブログです。
イラン、タブリーズを出発したバスは
アルメニアの首都エレバンへ向かいました。
次の目的地、ジョージアへ向かうべく
2泊程度のショートステイを予定していたアルメニア。
ですが、またしても、とある人との出会いにより
予定を延長し、1週間滞在することとなりました。
ということで今回は、イランからの国境越えと
エレバン初日のブログです。
(1AMD=¥0.22 2016年11月時点)
※AMD=アルメニアドラム
イラン〜アルメニア陸路国境越え
イラン最後の訪問地タブリーズを出発した夜行バスで
アルメニアの首都エレバンへと走りました。
久しぶりの陸路での国境越え。
バスはイラン国内で1度休憩を取り
国境を目指しました。
休憩の際に、バス乗車時にチラッと見かけた顔が
知り合いではないかと、男性2人組に近づいてみました・・・。
イラン出の旅行中
最初の宿→2都市への移動のバス→2都市目のホテル
がたまたま全部同じで
2都市目ヤズドでは、チャーターした車で一緒に観光に連れて行ってくれた人たち。
アルメニアから来たと言っていた彼ら。
まさかと思いつつ、近づいてみると・・・。
やっぱり。
まさかまさかの、4度目の再開!!
当初より予定を延長し、タブリーズから乗車した私と
予定を短縮してテヘランから乗車した彼ら。
またしても。
別の場所から、同じバスを選択して乗っていたなんて!!
さすがに、お互いびっくり(笑)
そして、またしても、
ここから国境越え、アルメニア滞在で
彼らにどっぷりお世話になることになります・・・。
とりあえず、休憩が終わったのでバスへ。
彼らとも席が離れていたので、元の席へ戻ります。
サプライジングな出会いと、旅での絡みはこの後も続きますが
それは追々書いていくとして。
乗っていたバスは、順調に国境へ。
深夜2:30、バスはイラン側の国境ゲートへ。
荷物を全部持って、一度バスを降ります。
2016年11月時点では、アルメニア入国には
ビザ取得が必要だったんですが、
2017年9月から、日本人はビザ不要となったようですね。
※渡航の際は、ご自身で最新情報のご確認をお願いします。
私の渡航時も、ビザが必要とは言っても
イミグレでアライバルビザが簡単に取得はできたんですが
ビザ代をアルメニア通貨のドラム(AMD)で支払う必要がありました。
ビザ代をゲットすべく、イラン側のイミグレの両替商に
イラン通貨をドラムへ両替してもらいました。
235,000Rlsが3,000AMDに。
これまでのビザ代が3,000AMDだったので
ぴったりではあったんですが、レートはかなり悪く…。
ビザ取得の必要が無くなった今では
ここでの両替はもはや不要かもしれませんね。
イランの出国手続きは、荷物のX線検査はあるものの、
特にチェックも質問等もなく、あっさり完了。
イミグレのゲートを通過してすぐ
頭に被っていた、スカーフを外す!!
うっとうしくて仕方なかったスカーフ。
16日ぶりに、外での被り物がいらなくなった開放感♪
自由って、スバラシイ!!(笑)
開放感に浸りながら
アルメニア側のゲートを目指します。
同じくイラン出国手続きを終えた、
アルメニア人2人組と一緒に、イミグレを目指したのですが。
徒歩で、と思っていたところ、
彼らが、イランの国境の建物を出たところでタクシーを発見。
私が合流したのは、66歳と68歳のご兄弟。
何を買ったのか、重たそうなバッグをいくつも持っており
徒歩での移動を極力したくなかったようで。
あっさりそれに乗ることを決めた彼ら。
もちろん、ちゃっかり同乗する私。
タクシー、というよりは、ゴルフ場のカートみたいなやつ。
アルメニア側のイミグレまでは、かなり距離があるのですが
この車、乗る価値無しです。
アルメニアのイミグレまで行けると思っていた車は
走り始めたと思ったら、すぐ停車。
停車した場所の路上には
イランとアルメニアの国境位置を示す線が・・・
「ここから先は行けないから、降りて」と。
彼らがいくら払ったのか、私は知りませんが。
びっくりするくらいの短距離走。
こんなものにお金払うとか、バカバカしいです、歩きましょう。
ということで、荷物を持って
小雨降る、街灯がともる薄暗い道を、イミグレ目指して歩きました。
アルメニアのイミグレ、遠かった・・・!
イラン側から、車を降ろされたボーダーラインまでよりも
ボーダーからアルメニアイミグレまでの方が遠かった!!
スーツケースの私はともかく
スポーツバッグやら、お土産詰めたIKEAのバッグやら(笑)を
必死に運んでいたおじちゃん2人組が、ちょっとかわいそうでした。
イミグレで、先ほど換金した3,000AMDを支払い
無事に21日滞在できるビザをゲット。
ビザ廃止になったとは言っても
そもそも、600円ちょっと払ってすんなりゲットできたビザ。
宿泊先住所も、チェックし忘れてて分からないと伝えると
「とりあえず、アルメニアホテルとでも書いといて」
と超適当な感じ。
元々が、ビザ代を徴収していたという以外、特に意味のないビザだったと。
入国審査も、かなり適当。
やる気無さげな税関職員が、ポンっとスタンプを押し。
たぶんほぼ見てないX線検査機に荷物を通して終了。
仲の悪い隣国アゼルバイジャンの入国履歴が無かったのもあるかもですが
高圧的で感じが悪い、と聞いていたアルメニアの税関職員は
むしろフレンドリーで感じよかったです。
ということで、無事
10ヶ国目となるアルメニアへの入国完了!
税関を抜けた先には
イランではまずお目にかかることのなかったATMがあり
自販機にはなんと
ビールまで・・・!!
もうイランじゃないし、ノンアルじゃないよ〜!!!
ここでキュッとビール・・・といってしまいたかったんですが
アルメニア人の2人が、
「僕らドラム持ってるし、こんなところで下ろさなくても」
と言ってきたので、ATMでの通貨引出しをエレバンまで先延ばし。
なので、お金ないので、ビール買えず・・・。
これも、エレバンまで先延ばし。
イミグレの待ち合いスペース的なところで
バスがピックアップに来るのを待ちます。
バスごとX線にかけて、細かくチェックするらしく、時間がかかります。
待ち合い室では、既に当然のようにスカーフを外したイラン人女性が
洋服までカジュアルなものに着替えていました(笑)
ようやくバスに乗り込み、出発したのは早朝4時。
1時間半かけてボーダーを通過したバスは
首都エレバンを目指して再び走り出しました。
想定外の悪天候!そして・・・バス故障!!
アルメニア国内に入り、空が明るくなったところで
一度朝食の取れるカフェで休憩がありました。
ここのカフェで両替ができたかは定かではありませんでしたが
少なくともATMはありませんでした。
イランか、イミグレのATMで下ろしておくのがいいんじゃないかと思います。
アルメニア通貨を未だ所持していなかった私は
おっちゃんたちのおごりで朝食にありつきました(笑)
国境ひとつ越えただけで
当たり前のように、チャイではなくコーヒーになりましたが
アルメニアの名物だと言って、頼んでもらったラバッシュは
イラン、タブリーズのものとほぼ同じ、薄焼きのナンでした。
これに、クリームチーズと、ハチミツとバターを付けて食べるという
シンプルな朝ごはんでした。
他にもメニューはあったんですが
みんな結構シンプルに、さくっと済ませていた感じでした。
国境ゲートの時点で降っていた雨は
次第にどんどん強くなり・・・
そして、天候の悪化にとどまらず
エレバンまで残り25kmというところで
バスがエンジン不調で路肩に停車・・・
乗務員が降りて、バスの点検をし
再び走り出すも
しばし走って、また停車。
そして今回の停車は、点検ではなく
どうやら、「ここで全員降りてくれ」と言っているよう・・・。
乗務員もドライバーも英語がまるで話せないが
みんな荷物をまとめ始め、完全に下車の準備をしている様子。
さっぱり状況のつかめない私。
でも、降りなければならなそうだということは、分かる。
が、こんなところで降ろされても、どうしていいのか分からない!
慌てて、最前列に座っていたアルメニア人の元へ。
すると、やっぱりバスの故障で、
ここで全員降車と説明された、のだそうだ。
「大丈夫、僕らと一緒に来ればいいよ。
友達に迎えに来てもらうよう連絡したから」と。
神!!
・・・とこのときは思ってたんですけどね。
次々と降車した乗客は、
どうやら、タクシーへと分散して乗って行ったようで。
後からアルメニア人に説明してもらったところ
どうやら、運賃はバス会社負担で
エレバンまでのタクシーを会社側が手配していた、のだそう。
じゃあ、私たちもそれに乗ればよかったんじゃないか・・・!?
というのは後の祭りで。
私たちを残し、他の乗客は既に去った後。
バスも、徐行運転で修理へと向かった後。
幸か不幸か、最前線に座っていた彼らは
いち早く情報をドライバーと乗務員から仕入れ
タクシーに関するアナウンスが流れる前に
既に友人にピックアップの依頼電話をしてしまっていた、と。
もうこっちに向かってきてしまっているから
タクシーを断り、待機場所を確保してくれるよう乗務員に依頼した
ということだった・・・。
要は、判断を早まりすぎただけ、だったという結末。
で、そこに、何も理解してない私が乗っかった、と。
乗務員が私たちに待機場所として準備してくれたのは、
エンジンの切られたオンボロカー。
とりあえず乗り込むも
この車は、バスを修理に出した後で
乗務員がまた取りにくるということになっていたらしく
そのまま置いていっていいように、キーを抜いたもの。
外は悪天候。
エアコンの切られた車内は、むちゃくちゃ寒く・・・
そして、よりにもよって停めていったのは
ナイトクラブの駐車場。
天気はどんどん悪化し。
まだ11月1日だったにも関わらず
みぞれ混じりの雨は、季節外れの雪へ・・・!!
※例年この時期に降ることはまずないそうです・・・
フロントガラスにヒビの入ったオンボロカーで
気温3℃の中、薄手のパーカー1枚(冬着所持なし)で
震えながら待つこと40分。
ようやくお友達の車が到着。
暖房がしっかり聞いた、ピカピカのトヨタ車。
よかった、救われた・・・(泣)
やっとナイトクラブの駐車場から脱出し
降りしきる雪の中、エレバンに向かったのでした。
初日のディナーは郷土料理祭り!!
エレバンの宿を予約してあったのだけど
「うちに泊まればいいじゃないか」
というおっちゃんの提案により。
車内から、宿へキャンセルの電話をかけてもらい。
そのままおっちゃん宅に上がり込む。
ということで、アルメニアでの滞在は
この旅でお世話になったホストの中で、最高齢となった
66&68歳のおっちゃん宅に民泊となりました。
なかなかレアな体験よね(笑)
バス故障と、異常気象による雪のおかげで
疲労と寒さでぐったりだったので、
夕方まで家でゆっくり休んでから、ディナーへ。
到着初日は、彼らの友人がやっているという
アルメニアの郷土料理のお店に連れて行ってもらいました♪
Antebというお店です。
店内は、お客さんでかなり混んでいました。
アジア、中東を抜け、イランから入国したばかりの私にとって
アルメニアは、この旅初めての「キリスト教が中心の国」。
明るくキレイなレストランで
スーツの男性や、スタイリッシュな服の女性が
ちゃんとナイフやフォークを使って食事をしている・・・!!
という、日本人にとっては当然だろう状況が
キラキラ輝いて見えたわけです(笑)
なんか雰囲気が欧風だあぁ〜!!!
みたいな。
こんなの日本出国したぶりでしたから・・・。
久しぶりの、というかこの旅初の
宗教戒律による、食材の制限がない国!
なんでも食べられる!
そしてもちろん、お酒も飲める!!(笑)
ということで、早速
16日ぶりとなるお酒解禁!!
まずはビールで・・・と思っていたのですが
アルメニアに来たなら、コレ飲まなきゃ!!
とおっちゃんがオーダーしてくれた
(というか半強制的にオーダーされた)のがこちら。
アルメニアのブドウの蒸留酒。
写真はソーダで割ったもの。
アルメニアではAraghやArak(アラック)などと呼ばれ
同様のお酒がトルコやジョージアなど周辺諸国でも見られます。
ソーダで割ったとはいえ、40度以上あるこのお酒。
久しぶりのお酒は、のどごしスッキリ、とはいかず(笑)。
そしてお料理は、色々私に食べさせようと
3人しかいないのに、すごい数をオーダーしていただきまして・・・。
初めてちゃんと食べるアルメニア料理。
旧ソ連圏の国なので、ロシア料理寄りかと思っていましたが
アルメニアは、周辺諸国とかなり複雑な歴史を持ってますので
色々な国の料理が交ざり合っています。
こちらのレストランは西部アルメニア料理のお店だったので
とりわけトルコ料理に近い印象を受けました。
まず最初はレンズ豆(レンティル/Lentil)のスープ(1,000AMD)
レンズ豆をトロトロに煮込み
クミンやコリアンダーなどのスパイスを加えたもの。
香り豊かで、ちょっととろみのあるマイルドなスープです。
付け合わせのレモンを搾っていただきます。
さらに、チリとフライにしたフラワーチップが付き
これもお好みで、一緒にいただきます。
辛いのが大丈夫な人は、チリも足すとおいしいです。
おっちゃんは、チリパウダーをドサッと入れて食べてました。
こちらは、サイドメニューとして頼んだゴマのパン(400AMD)
朝食べたペラペラのラバッシュではなく、
ゴマがたっぷり乗った、香ばしいふっくらパンでした。
続いては、ラフマジュン(Lahmajun)と呼ばれる
薄焼きのピザのようなもの。(1,000AMD)
日本では、トルコ料理としての方が有名かもしれませんが
ここアルメニアをはじめ、レバノンやシリアなど
周辺諸国でも広く食べられている料理です。
ひき肉とタマネギ、トマトやたっぷりのハーブやスパイスなどを
具材として乗せて焼いたもの。
生地はかなり薄いですが、なんと言ってもデカイ。
そして、写真をよく見てもらうと分かるんですが
これ、2枚乗ってるんですよ・・・
デフォルトなのか、おっちゃんが2枚頼んだのかは不明なのですが。
とにかく、これだけでもオナカいっぱいになります。
まだまだいきます。
お次はItch(イーチ)というお料理(600AMD)
トマトやスパイス、ハーブなどと
挽き割り麦(ブルグル/Bulgur)で作られたサラダ。
ちょっとスパイシーな冷製サラダはさっぱりで美味しい。
でも、ぼちぼち炭水化物がキツくなってきた・・・(笑)
炭水化物はまだ続き
出てきたのはナスのドルマ(Dolma)。
野菜の中に、お米と野菜、スパイスなどを詰めたもの。
今回はナスの詰め物。
柔らかいナスがおいしい。
でも、とってもボリュームのある一品。
そして、炭水化物続きのオーダーから
今度はナス祭りへ。
グリルナス(600AMD)
トロトロに煮込んだナスと、トマト、たっぷりハーブがこちらもおいしい。
ちょっとスパイスの効いた、ラタトゥイユのような。
でもけっこうしっかり目にオイリーなお料理。
そして、もう1つナス。
どれだけ好きなんだ、ナス(笑)
頼んだのは、Gouvajという煮込み料理。(3,000AMD)
ナスが全面に出てますが、下に隠れたお肉がメイン。
お肉はビーフとラムから選べました。
今回は、私の希望でラム肉をチョイス。
じっくり煮込まれたラムが美味しかったんですが。
個人的には乗ってるナスのとろけ具合がたまらなかった!
いや、もう、どんだけナスって感じなんですけど(笑)
おそらく最後にオーブンでじっくりグリルされたと思われるこのお料理、
柔らかいお肉もさることながら、
噛まずになくなる、甘くトロトロのナス、たまりませんでした♪
もうこの時点で、食べきれないくらいオナカパンパンなのに
うっかり頼んでしまっていた、トドメの巨大なメイン料理。
Iskender Kebab(3,800AMD)
ハイ、きました、メガ盛りのお肉!!
トルコが発祥で、各地に広がったケバブ料理。
ここアルメニアにもありました。
トルコでは薄切りのお肉を重ねたものが主ですが
こちらのお店では、ミンチ肉を使用していました。
たっぷりかかったトマトソースと、ヨーグルトをからめていただきます。
お肉ジューシーでもちろん美味しい。
でも終盤で食べるには、あまりのボリュームと肉々しさ(笑)
ヨーグルトのちょっとサッパリ感
ぐらいでは、とてもサラっとはいただけない。
ボリュームケバブは、
やっぱりオナカすいてる時に食べないと、ですね・・・。
今回も、オナカはちきれそうになるまで食べました(笑)
そして、おっちゃんたちに、すっかり全部ごちそうになりました。
またまた、ありがたいことです。
家に戻り、この日は終了・・・の前に
オナカいっぱいだったけど
どうしても飲みたかった、16日ぶりのビール!!
おっちゃん宅の冷蔵庫にあったのを
帰ってから1本めぐんでもらいました(笑)
(アルメニアではなく、ベルギービールでしたが)
ビール欲がおさまったところで、就寝!
次回ブログも、引き続きエレバンです!