イラン滞在9日目のブログです。
イスファハン滞在3日目、
前日の食だらけな1日から、程よく観光×食な日へ。
イスファハンの名所を回りつつ、イラングルメも堪能した1日です。
(1$=35,000Rls 2016年10月時点)
イスラムの国イランでキリスト教会を巡る
この日も、泊めてもらっていたホストに街を案内してもらいました!
「教会を見に行こう」
そう言われたとき、単純に
ほぇ〜、イランの街中にも教会ってあるんだぁ〜
と、歴史認識の浅い、無知な私は思ったわけです。
他宗教の観光客でさえ、服装や頭髪を隠すスカーフ着用
一切の飲酒禁止等が義務付けられる、イスラム原理主義国家イラン。
イスラム教のイランの方と結婚するには、改宗が必須とも聞いていましたし。
イランっつったら、モスクだべ?
みたいな、私のような短絡的思考で訪れると
現地でおバカ丸出しになりますので、
訪問記の前に、少しだけイランのキリスト教について。
イランは、イスラム原理主義の政権が統治している
言わずと知れたムスリム国家ですが、少数派ではあるものの
法的にキリスト教、ユダヤ教、ゾロアスター教等の信仰自体は認められている国です。
クリスチャンの数は、50万人とも、100万人とも言われており
表立っての宗教活動に制限はあるものの、その数は増加傾向にあるのだとか。
とはいえ、ムスリム政府下での他宗教信仰は簡単なものではないようで
キリスト教徒の弾圧という名目での事件がしばしば発生する、
というのも事実のようですが。
時は遡りまして17世紀、サファヴィー朝アッバース時代
アルメニア人がイランに強制移住させられ、
Julfa(ジュルファ)と呼ばれる居住地区が、イスファハンに形成されました。
ちなみにアルメニアは、301年に世界で初めてキリスト教を国教とした
古くからのキリスト教国家です。
彼らの子孫を中心に、現在もイラン国内でキリスト教が信仰されているのだそう。
Julfaには、彼らが建てたアルメニア教会が13あるそうで
今回は、その内公開されている2つへ行ってきた、という訳です。
・・・なんか歴史の教科書みたいになっちゃいましたね(笑)
ではでは、旅記に戻ります。
最初に訪れたのは、
Bedkhem Church(Bedghehem church, ベツレヘム教会)です。
後で外観撮り忘れに気付き、妙なところからの引きショットで失礼します…
教会建築に、ペルシャ様式のドームが建設されているのが特徴的です。
ちなみに、ちょっとだけ入場料(50,000Rls)がかかります。
こちらは、教会聖堂の入口。
外観を彩るのは、イスラムの幾何学模様のタイルですね。
シンプルな外観からの予想に反して、内部は豪奢!
描かれたフレスコ画と金箔を使用した装飾が、圧巻です!
天井のドーム部分にも金の装飾とフレスコ画。
配置された窓から入る光が、教会内に柔らかい雰囲気を創り出します。
撮影可能なのは嬉しいのですが、観光客視点でいくと1つ残念なのが
教会内全体を撮影しようとすると、
入口に設置されたカメラとポールが避けられない、ということでしょうか(笑)
教会を守り維持していくために、
こういった措置も必要なんでしょうね。
小さな教会ですが、観光客も少なく
ゆっくり見学できて、雰囲気もとても良いのでおススメです!
次に訪れたのは、Kelisa-ye Vank(ヴァーンク教会)。
先の教会より規模が大きく、博物館も併設されていることもあり
観光地としてはこちらの方が有名です。
こちらの入場料は、200,000Rlsでした。
教会様式は先ほど同様、ドームが用いられています。
そして内部も同様に、金の装飾と美しいフレスコ画で飾られています。
鮮やかな色で描かれたフレスコ画は、クリスチャンでなくても
1つ1つじっくり見てみたくなります。
…とか書いてみましたが、個人的にキリスト教はさっぱり詳しくないので
クリスチャン系の大学に行っていたというホスト(奥様は日本人)に解説してもらい
相変わらず、へぇ〜、とか、はぁ〜とか言いながら見てたんですが(笑)
いや、ホント、ありがとうございます。
併設されている博物館では、宗教資料や
この地のアルメニア移民、アルメニア聖教の歴史などに関する
展示を見ることができます。
17世紀に、最初に印刷されたアルメニアのゴスペルの本や
昔のアルメニア民族衣装に
こちらは、世界一小さな聖書。
重さわずか0.7g! 14ページのこちらの聖書は、ドイツで印刷されたもの。
他にも、毛髪に聖書の一部が彫刻されたものなんかも展示されていました。
墓石に描かれている絵の展示なんかもあります。
生前、故人が携わっていた職業などに基づいて
1つ1つデザインされているんだとか。
そしてこちらは、19世紀末から20世紀初頭にかけて現トルコ国内で起きた
アルメニア人虐殺の歴史を展示したもの。
オスマン帝国領内に居住していたアルメニア人少数民族で
虐殺された人数は150万人とも言われ(正確な人数は不明のようです)
赤でマークされている場所は、アルメニア人が虐殺、追放された場所とのこと。
飾られている諸外国の国旗については
アルメニア人大量虐殺を有罪と認めた国々のものだそう。
この問題に関しては、組織的虐殺だとするアルメニア側の主張と
戦時下における事件で、組織的ジェノサイド(大量虐殺)ではないとする
トルコ側の主張から、国交正常化をした現在も収束しておらず・・・。
イラン国内におけるアルメニア移民、および周辺諸外国との
宗教的・文化的歴史を学べる場でした。
イスファハンのメイン観光地という場所でもないので
短期旅行だとなかなか訪問は難しいかもしれませんが
時間があれば、足を運んでみる価値のあるところだと思います。
イラニアンカフェでティーブレイク♪
いきなり軽〜い感じになりますが(笑)
色々お勉強したあとの、ブレイクタイムです♪
教会近くにカワイイカフェを発見し、一休み。
Firouz Sherbat Cafeというお店に入りました。
内装もとってもCuteなこちらのカフェ。
何気に入ったんですが、外国人ツーリストの方の姿もちらほら。
私たちはドリンクだけの利用でしたが
お料理も郷土料理を提供していたり、定評のあるお店のようでした。
ただ・・・
メニューはペルシャ語なので、何がなんだかさっぱりなんですが(笑)
友人に訳してもらいつつ、なんとかオーダー。
訳してもらったところによると
軽食やケーキ、フルーツジュースやコーヒー、
各種イランのお茶に、アイスなどがあるようで。
珍しいところだと、コショウのアイスなんていうのもあるみたいです。
で、私オーダーは、無難なところで
かつイランっぽいものを…ということでサフランジュース。
サフランとローズウォーター、レモンとハチミツをMIXしたもの。
香りよくサッパリでおいしかったです。
友人オーダーはバーベリー&ザクロ
日本ではなかなか見かけることのない、バーベリーという
イランではゼレシュクと呼ばれ、お料理にも使われる甘酸っぱい木の実。
ザクロと併せた、イランらしいお飲物。
お味は結構甘めでした。
で、旦那さまオーダーはSekanjabinなるもの。
これがちょっと奇抜だったかな?
イランの伝統的な飲み物だそうで、
angubin(アンギャビン)と呼ばれる花のシロップと、
ビネガーをMIXして作られたもの。
これに浮かべられていたのが
刻んだキュウリ!!
韓国とかで、焼酎にキュウリが入ってたりすることもありますが
甘いドリンク×キュウリは、私としてはお初の出会い。
さっぱりビネガーに程よい甘さが加わったドリンクに
さくさくキュウリの食感が意外とマッチして、これも美味しかった♪
日本ではお目にかかることのないドリンクでテンションを上げて
観光再開です!
マスジェデ・ジャーメ&スィー・オ・セ橋
カフェで一休みした後は、また街並をぶらぶら散策しながら
マスジェデ・ジャーメを目指しました。
道中、世界最古とも言われる5つ星ホテル
Abbasi Hotelの前を通りかかったので、ちょっと寄り道してみました。
約300年ほど前にキャラバンサライとして建てられたものを
リノベーションして、現在もホテルとして活用しているのだそう。
「中東で一番美しいホテル」として紹介されることもあるようで
宿泊してる訳でも、食事してる訳でもないので
当然部屋は見れませんが・・・
フロント周りの、バルコニー部分のエメラルドグリーンの装飾もきれいで
一風変わった、ペルシャ調のポストがあったり(笑)
昔キャラバンサライとして隊商が集った広場は
美しいペルシャンガーデンとして活用されていて
残念ながら季節が秋だったので、あまり花は咲いてませんでしたが…
季節がよければ、たくさんの花が咲いた美しいお庭が見れるそうです。
庭の先には、レストラン。
こんなところに、1度は宿泊して、優雅に食事してみたいもんです(笑)
高級感溢れる空気感だけ少し感じて(笑)
先へ進みます。
目的地のマスジェデ・ジャーメは、日本語にすると金曜モスク。
イスラム暦では金曜が週末・休日で、礼拝の日とされているため
同じ名前のモスクが各地に存在します。
イスファハンのマスジェデ・ジャーメは、
世界遺産にも登録されている、イスファハンで最も古いモスクだそうです。
到着したころには、すっかり日も暮れ
ライトアップされた姿を見ることができました。
写真は、北東のイーワーン(門)
手前にあるのは水飲み場とウドゥ(礼拝前の洗い場)
最古のモスクは、長年に渡り増築と修復を繰り返したため
様々な建築様式を見ることができるのだそう。
こちらは、南西のイーワーン。
2つのミナレット(塔)と、後ろにドームを擁しています。
南西方向がメッカになるため、こちら側がメイン。
北東側からこちらに向かって礼拝します。
イーワーンは広場の4方向全てに、向かい合う形で配置されています。
こちらのマスジェデ・ジャーメのイーワーンは
時代ごとに、異なる建築様式で建てられたものだそうです。
ちょっと遅くなってしまったので
中には入らず、外観のみで次へ移動します。
この日最後の観光は、ライトアップされた
夜のスィー・オ・セ橋(Siosepol Bridge)へ。
イスファハンに11ある橋の1つで、
長い橋に、33個あるアーチがライトアップされてとてもキレイ♪
ライトアップされた夜の橋は、イランの人たちにとっても憩いの場。
橋の上の雰囲気もバツグン。
アーチ部分で座ってのんびりする人たちもたくさんいました。
橋の外側は長い通路が続いています。
フォトジェニポイントですかね(笑)
地元っコがみんなここで写真撮ってました。
ザーヤンデ川にかかる橋なんですが・・・残念ながら
乾季だったため川に水はなく、水面に反射する橋は見れませんでした。
水不足であまり水量がないようなんですが、
雨季の冬に行ったら、もしかしたら川の水と一緒に見れるかもしれませんね。
ボリューム満点、ファラフェルディナー
1日歩き回って、腹ペコ状態でのお待ちかねディナー!
の前に、待ちきれずちょっとスイーツショップに寄り道して小腹回復。
チョイスしてもらったのは、コチラ。
揚げて外側が少しクリスピーになった生地に
たっっっぷりのシロップを絡めた、というか染み込ませたお菓子。
噛むとジュワッッッと中からシロップが染み出してくるんですが
・・・・・甘い(笑)
いえ、おいしいんです、とっても。
ただ、普段あまり甘いものを食べない身としては、ちょっとでいいかなと(笑)
さっぱりヨーグルトドリンク、アイランと併せてみるも
全部食べるとなかなかの甘さ。
日本茶と一緒に、1、2個つまみたいな、と思ったスイーツでした。
そして、ディナーはタイトル通りファラフェル。
ムスリムの国や、ハラルフードのレストランには必ずある
簡単に言うと、豆コロッケです。
ヒヨコ豆で作られることが多いですね。
この日はみんなでファラフェルサンドの食べられるお店へ。
お宅のご近所で、市内中心部ではないので、お店は割愛しますが
ファラフェルサンドのお店は、イランにたくさんあります。
まずは、イラン定番ノンアルビールを吟味。
こちらのお店にも色々な種類。
そして、漏れなくアイランも常備。
この日のチョイスはコチラ。
選んだフレーバーは「Exotic」
ノンアルコールビール、HeyDayのExoticフレーバー。
もはや何の飲み物だかさっぱりわかりませんね(笑)
ラベルのマンゴスチンの絵柄に惹かれて決めてみました。
イランでマンゴスチンは1度も見かけませんでしたが。
お味は、甘さ控えめマンゴスチン、というかライチのような味のサイダー。
これはこれで、おいしいんですが。
禁酒との格闘は続きます(笑)
そして、お待ちかねのサンドですが
パンがデカイ(笑)
ハーフサイズもできたみたいなんですが。
オナカすきすぎて、フルサイズオーダー。
バットの上に乗ってるコロッケがファラフェル。
バゲットにファラフェルを並べて、たっぷりのパセリをのせてもらいます。
ボリュームたっぷり、なが〜いサンド。
ガッツリかぶりつきます(笑)
中のファラフェルが、外カリ中しっとりでおいしい♪
以前ドバイで、サンドではなくファラフェル単体を頼んだとき
巨大なボール状のファラフェルが大量に出てきて
スゴすぎる豆感とボリュームに、ギブアップしたことがあったんですが。
ここのファラフェルは平たくつぶした小サイズ。
揚げたてカリカリで、お豆の量も程よく、
パンに挟んでも、モソっとすることなく絶妙でした!
1個でオナカいっぱいになるサイズ!
・・・なんですが。
「もう1個食べる??」
と旦那っち。
・・・・・。
ノッてみた(笑)
つられてロングサイズで追加オーダーした2つ目は、お肉。
ソーセージ、トマト、パプリカ、ポテト、パセリ・・・
これも、おいしかった!
でも、さすがにオナカパンッパン(笑)
ここで、柔道をやっているというお店のご主人。
日本語で名前を書いてほしいというので、書いてあげたところ
お礼に、と(笑)
サブジの差し入れをいただいてしまいました。
鶏肉と豆を、スパイスとイラニアンレモンで煮込んだサブジ。
既にパンパンのオナカに、追加投入。
小さいけれど、具沢山サブジがなかなかこたえる(笑)
でも、せっかくいただいたし。
これも、めちゃくちゃおいしいし。
ということで、プチフードファイトにてディナー終了。
全部おいしゅうございました。
この日は、これでおしまい。
2泊の予定を、ご好意で延泊させていただきまして…
次回もイスファハンです。